アミノ酸の種類を限定した原始リボソームタンパク質のRNA結合様式に迫る

藤島研究グループとチェコのCharles大学のHlouchova博士らは先に開発した高効率mRNAディスプレイ法を応用してrRNAに結合することが既知のL11リボソームタンパク質に利用しているアミノ酸の種類を最大10種類まで限定した"ありえた原始リボソームタンパク質を 試験管内進化で選抜することに成功しました。驚くことに その原始タンパク質は全ての塩基性アミノ酸を失っているにも関わらず野生型と似たような解離定数Kdを有することがわかりました。また分子動力学計算により、本来であれば反発し合う負電荷の酸性アミノ酸とRNAがカチオンを介して相互作用している様相が確認できました。本発見は塩基性アミノ酸がコードされる以前の原始タンパク質でもRNAと相互作用可能だった可能性を示唆したことから、生命起源に関連したタンパク質の進化に新しい知見をもたらしたと言えます。現在 論文はBioRxivアップロードされ、査読中です。

原著論文(Original Paper)

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